日本ブリーフサイコセラピー学会

日本ブリーフサイコセラピー学会 第30回 山形蔵王大会
The Japanese Association of Brief Psychotherapy Annual Meeting

ワークショップ

8月21日(金) 13:00~18:00

大会ワークショップのご案内

本大会ではワークショップを企画しております。お申し込みの際は、申し込み書に第3希望まで必ずお書きください。申し込み状況により、受付を締め切るコースが出てくる場合がございます。

本WSは臨床心理士資格取得後の教育・研修機会として申請予定です。

1 みんなで学ぶブリーフセラピー入門
赤津 玲子(龍谷大学)・木場 律志(神戸松蔭女子学院大学)

 ブリーフセラピーってちょっと興味があるんだけど、どんなセラピーなんだろう? ブリーフセラピーを実践しようと思ってやっているんだけど、どうしたらもっとうまくなれるんだろう?そんな“みんな”のために用意されたのが、このワークショップです。
 私たち講師は「クライエントや家族のこころの中に何らかの問題があるとは考えない」という少し変わった(?)セラピストです。また、セラピーにおいて「クライエントや家族の要望や期待を大事にしたい」と考えています。これらの考え方はブリーフセラピーの基本と言えるでしょう。
 また、私たちはセラピーの場面で様々なワザを使います。問題を少し違った角度から眺めてみる。解決した時のことを考えてみる。自分を責めるのではなく問題との関わり方を考えてみる。ブリーフセラピーには明日から使える技法がたくさんあります。
 さぁ、そんな考えやワザを、“みんな”で一緒に楽しく学びましょう!

参考文献:「みんなのシステム論:対人援助のためのコラボレーション入門」日本評論社

2 動作療法はじめの一歩
大多和 二郎(サンテコンサル横浜)

 「動作法には興味があるけれど、一度も研修受けたことがない」「動作法の研修会はよく行くけれど、臨床で使ったことはない」「動作法の技法研修は何度か受けたけれど、実際の使い方がよくわからない」…そういう人たちを対象にして企画してみました。昨年、成瀬悟策先生が逝去される直前に出版されて遺作となった「動作療法の治療過程」という素晴らしい本があります。でも臨床で動作法を使ったことがない人にはちょっとわかりにくいかもしれません。そこで私の臨床経験をご紹介しながら、そして実習体験をしてもらいながら、動作療法のすすめかたの基本を解説したいと思います。「あー、動作法ってこういうふうにセラピーで使っていくのか」とワークショップの終わりに言ってもらえるような、わかりやすく楽しい時間にしたいと思っています。

参考文献:「動作療法の治療過程」成瀬悟策編著(金剛出版2019)

3 解決志向ブリーフセラピー:今、伝えたいこと~『未来』の視座から~
黒沢 幸子(目白大学)

 心理療法は、何を目指して行われるのでしょうか? クライエントが自分の「望んでいる未来」「うまくいっている未来」「よりよい未来」を手に入れるためと言っていいでしょう。
 心理療法において、「未来」を扱うことの治療的意義を、広く知らしめたが、解決志向ブリーフセラピー(SFBT:Solution Focused Brief Therapy)であるといえます。「解決」とは問題の解決ではなく、「望んでいる未来の状態」のことですから。
 心理療法において「未来」をうまく扱えるようになってほしいと思います。
 今回は、SFBTをベースにしながらも、狭義のSFBTに留まらず心理療法の腕を上げていくために、またはSFBTのスキルをさらに磨くためにも、「未来」にまつわる心理療法の力(治療的意義)とその方法(技法)について、事例とワークを通して、体験的に学び実践につなげるワークショップにしたいと思っています。「未来」から素敵なプレゼントがあるはずですよ!

4 ボディ・マインド・リスニング《入門編》:体に訊く!臨床の基礎の作り方
小関 哲郎(宇佐病院/大分記念病院)

 ボディ・マインド・リスニングとは、体の感覚に注目することを通して、心理臨床に必要な感覚を養うためのトレーニング方法です。このアプローチは、フォーカシングやマインドフルネス、オープンダイアローグなどの考え方を背景として、心理面接を初めて学ぶ人との学習会での経験から生まれたものですが、そこで養われる「身心感覚」は、狭い意味での心理療法の中だけでなく、あらゆる臨床場面において役に立つものです。
 今回のワークショップでは基本的なワークを体験しながら、その背景にある考え方を御紹介したいと思います。心理面接の初心者だけではなく既に現場で経験を積んでいる臨床家の方の参加もお待ちしています。

5 フィンランドのダイアローグ実践、ノルゥエーのBeyond Best Practice
~対話文化の醸成と治療効果の向上を目指して。我々はこの先、どこに向かうのか?~
白木 孝二(Nagoya Connect & Share)

 何年か前から、フィンランドのダイアローグ実践(オープンダイアローグ、未来語りのダイアローグ、そして早期ダイアローグ)に関心を持ち、本学会でも紹介してきました。
 去年(2019)の春には、ノルゥエーのBirgit Valla の ”Beyond Best Practice” を読み、その斬新な実践(臨床効果の向上、組織と地域医療システムの改革)に大いに興味を惹かれました。Scott D Miller たちの臨床実践:FIT(Feedback Informed Treatment) とセラピスト・トレーニング:Deliberate Practiceに基づいていることも、大きな要因でした。
 この二つは基本哲学と臨床姿勢を同じくし、相補的な関係にあるとも、私は考えています。これらを並列的に紹介し、実習を交えて、「我々はこの先、どこに向かうのか?」を問いかけ、語り合う、ポリフォニックなダイアローグの場、機会にしたいと思います。

6 エリクソニアン・アプローチ入門
津川 秀夫(吉備国際大学)

 「20世紀最大の臨床家」と称されたミルトン・エリクソンは、ブリーフセラピーの誕生と発展に大きな影響を与えました。エリクソンのアプローチは、ともすると奇抜な介入や複雑な技法ばかり注目されます。たしかに、エリクソンの数ある事例のなかでも、ユニークな行動課題や症状処方、混乱技法などはひときわ目を引きます。しかし、実際のエリクソンの臨床は、クライエントの独自性を踏まえて関わるという当たり前のことを実直に行ったものがほとんどです。
 今回のワークショップでは、奇抜で複雑な介入技法ではなく、エリクソニアン・アプローチの基礎を支える見立て(アセスメント)と手立て(介入計画)について取り上げます。また、その一環として、ブリーフセラピーの代表的な技法についてエリクソンの視座から捉えなおすことも考えています。エリクソンのアプローチを初歩から体験を通して学びたい方の参加をお待ちしています。

7 グループにおける動機づけ面接
山田 英治(青森家庭裁判所)

 動機づけ面接は、最初に、アルコールの問題を抱えたクライエントとの面接で用いられ、その後、司法領域でも用いられるようになった。クライエント中心であると同時に目標志向的であり、変化に対するクライエントの両価性に関わる問題を扱う。
 本ワークショップでは、行動変容を促進する動機づけ面接の基礎についての解説及びエクササイズを踏まえ、グループにおいてどのように動機づけ面接のスピリット、プロセス及びスキルを統合し、グループの力を活用するのかについて焦点を当てる。本ワークショップの主な目的は、参加者がグループにおいて動機づけ面接を用いることの効果を確認し、臨床現場での実践の可能性を検討するきっかけにすることである。参加者は小グループになってグループリーダー、グループメンバーとして動機づけ面接に一致した実践的なグループエクササイズを知り、体験的に学習することが本ワークショップの特徴として挙げられる。

(以上、敬称略)

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